ダナン現地レポート
ベトナム語の発音や意味は、7割近くが漢字由来とされています。ベトナムにも近い中国南部の言葉(広東語など)とベトナム語が似ており、日本語も、中国全土で採用されている普通話(北京語)より広東語に近いとされています。つまり日本語とベトナム語にも発音だけでなく、意味も近い言葉が多く存在しています。
■発音・意味が近いベトナム語と日本語の一例
cảm(感)ơn(恩):ありがとう
cảm(感)động(動):感動
trà(茶):お茶
hải(海)sản(鮮):海鮮
đồng(同)ý(意):同意
chú(注)ý(意):注意
ý(意)kiến(見):意見
thiên(天)nhiên(然):天然
đại(大)học(学):大学
Bệnh(病)viện(院):病院
Việt(越)Nam(南):ベトナム
感恩→「かんおん(日本語):カムオン(ベトナム語)」
感動→「かんどう(日本語):カンドウ(ベトナム語)」
茶→「ちゃ(日本語):チャー(ベトナム語)」
海鮮→「かいせん(日本語):ハイサン(ベトナム語)」
同意→「どうい(日本語):ドンイー(ベトナム語)」
注意→「ちゅうい(日本語):チュイー(ベトナム語)」
意見→「いけん(日本語):イーケン(ベトナム語)」
天然→「てんねん(日本語):ティエンニェン(ベトナム語)」
大学→「だいがく(日本語):ダイホッ(ベトナム語)」
病院→「びょういん(日本語):ベンビエン(ベトナム語)」
越南→「えつなん(日本語):ベッナム(ベトナム語)」
上記の漢字で表現できるベトナム語の発音は、日本の漢字の音読みに近いです。上記以外にも日本語と発音も意味も近いベトナム語は数多く存在し、日本語を学ぶベトナム人の学習を容易にしています。 もちろんベトナム語を学ぶ日本人の学習も容易になっています。
ベトナムにおける漢字
ベトナム北部に含まれる地域は、紀元前111年に中国(前漢)から服属しており、北属期と呼ばれるこの頃から漢字が本格的に使われるようになりました。この北部の地域では、日本よりも長い漢字文化があります。
1882年にフランス軍がトンキン地方(現在のベトナム北部)を占領し、この頃からラテン文字(クォック・グー:今のアルファベット表記)が使われるようになりました。公用文としてクオック・グーを採用し、学校教育やメディアでも漢字の使用機会が減っていき、ベトナム最後の王朝である阮朝の滅亡とベトナム民主共和国の成立、1954年の漢字の廃止により、見る機会もほとんどなくなります。現在はテト(旧正月)や中秋節などの伝統行事、中部ではフエ王宮など歴史的な建造物、日本語や中国語学習者の間でしか漢字に触れる機会がありません。漢字を知っている人、学んでいる人も一部の高齢者や国文学や歴史の研究者、学生、日本語や中国語の学習者に限られています。
ベトナム中部に関連する漢字
ベトナム最後の王朝は、阮(ゲン)朝でベトナム中部のフエにありました。阮朝が1945年まで続いていた関係で、中部の地名にも多くの漢字が残っています。なお、阮という漢字は、中国の古代楽器である阮に由来します。阮は日本語の読みでゲンになりますが、ベトナム語読みでグエン(Nguyen)と読みます。グエン王朝は、北から南まで伸びる現在のベトナムとほぼ同じ領土を初めて統一した王朝であり、現在のベトナムの領土を作った名誉ある王朝です。
最後の王朝があったフエは、ベトナムでもっとも多い姓「グエン」発祥の地になり、ベトナム人の約40%がグエンの姓を持っています。
フエは、漢字で「化」と書きます。これはフエが属していた化州に由来し、漢字音の化(Hoa)が始まりとされます。
ホイアンは、漢字で「会安」と書きます。日本語の意味にも近く、平和な集まりの場所として名付けられました。ホイアンは、16世紀末頃には日本人も多く来航し日本人街も作られ、日本人よって1593年に作られた日本橋(来遠橋)もあります。日本ともゆかりのある地になっています。
ダナンは、漢字で「沱㶞」と書きます。2025年からダナンに吸収合併したクアンナム省のクアンナム(Quang Nam)は「広(Quangクアン)南(Namナム)」と書きます。
ダナンの主要区(2025年からは漢字で「区」ではなく、「坊」と表現されます)は、ハイチャウ(Hai Chau)区、ソンチャ(Son Tra)区、グーハンソン(Ngu Hanh Son)区の3区になります。ハイチャウは漢字で「海州」、ソンチャは「山茶」、グーハンソンは「五行山」と表現されます。
■ダナン主要エリアの地名と漢字
ハイチャウ(Hai Chau)=海(hai)州(chau)
ソンチャ(Son Tra)=山(son)茶(tra)
グーハンソン(Ngu Hanh Son)=五(ngu)行(hanh)山(son)
最初にも紹介したように、海はHai(ハイ)、茶はTra(チャー)と発音します。山のソン(Son)は、発音からの当て字になります。Sonのベトナム語の意味は”ペイント”や”塗る”という意味になります。現在、ベトナム語で山を意味する単語は、Nui(ヌイ)になります。
グーハンソンは、有名な観光地である五行山(グーハンソン)から名付けられました。このようにグーハンソンには区(エリア)の意味と観光スポットとしての五行山の意味があります。タクシードライバーへ「グーハンソンへ行ってほしい」と言うとエリアなのか、観光スポットの五行山なのか、わからず、詳細な場所を聞かれると思います。
陸側にあるハイチャウ区は「海」、海側にあるソンチャ区には「山」の文字が入っています。これはソンチャ半島が自然豊かな山(モンキーマウンテン)になっている点が大きいとされます。
ほかにもダナンとフエの間にあるハイヴァン峠はその眺めから海雲(Hai Van)と名付けられました。すでに紹介してますが海をHai(ハイ)だけでなく、雲をVan(ヴァン)と発音するのも日本語と似ています。
ダナン市内のハイチャウやソンチャ、グーハンソンに当てはまる海(Hai)や山(Son)、茶(Tra)は旅行中も触れる機会が多いベトナム語になります。一度、こちらの地域に滞在すると、日本語の音読みに近い発音としてすぐに覚えられると思います。
ベトナム旅行中の日本語ガイド利用方法
ベトナム語は声調言語であるため、カタカナに置き換えた発音では正しく伝わらないことが少なくありません。特に、日本人がいきなり漢字読みから推測したベトナム語を話しても、思うように通じないことが多いのが実情です。
それでもベトナム旅行では現地の人々と接し、言葉に触れる機会が数多くあります。特に日本語ガイドが同行するツアーであれば、会話の練習を通して自然に発音を学ぶチャンスにもなります。日本語およびベトナム語の両面を知るガイドの同行は、言葉を学ぶ絶好の機会にもなります。
ベトナム旅行中は、できるだけベトナム語を使ってコミュニケーションを取ったり、意識的に新しい言葉を覚えてみるとよいでしょう。その工夫によって、旅の楽しさや新しい発見が一層広がり、より経験が「残る」旅行になるはずです。
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